笑気吸入鎮静法とは
「笑気吸入鎮静法」とは笑気麻酔とも呼ばれ、鼻から吸い込む気体である笑気を利用し、鎮静、睡眠、鎮痛の作用によって患者をリラックスさせ、痛みや不安を感じにくくする麻酔法のことです。
この笑気ガスを吸ったからといってゲラゲラ笑ってしまうわけではなく、笑気を吸った患者さんが、ニヤニヤ笑って笑顔のような表情になることから「笑気ガス」と呼ばれています。
「歯の治療は怖くて痛い」という苦手意識をお持ちの方は、笑気吸入鎮静法で不安感やストレスから解放された状態で治療を受けることができます。子どもだけでなく、大人も「キーンという治療の音が苦痛」「歯にドリルが当たる感触が恐怖」という人は多いものです。
また、笑気は痛みを感じにくくなり、治療時間も短く感じられます。
歯科治療への不安から「まだ終わらないのかな?」と、思っていた治療が「もう終わった?」と思えるかもしれません。むし歯をそのまま放置してしまうと、風邪と違って治らずに進行していくだけなので、かけがえのない歯質がどんどん失われていってしまいますよね。
当院では、歯科治療による患者さんの精神的負担を減らすために、「無痛治療」「笑気麻酔」「セデーション」を採用していますのでお気軽にご相談下さい。
笑気麻酔を吸うとどんな気分?
笑気麻酔によって緊張と不安感がなくなり、軽くウトウトしているようなリラックス状態になります。
効きには個人差があり、感じ方も患者さんによって様々ですが、身体がぽかぽか温かくなったり、フワフワしたり、陽だまりでぼーっ気持ち良くなるような感じになります。
鼻から吸うだけで鎮静状態が得られ、治療後は30分以内に肺などから体外に排泄され副作用が非常に少ない鎮静法です。当院では笑気30%と70%高濃度酸素を混合して使用します。
空気中の酸素濃度は「20%」なので、笑気麻酔使用中は、高濃度の酸素が安定供給されますので酸素カプセルに入っているような状態となることもメリットです。
全身麻酔とどう違う?
全身麻酔は完全に意識がなくなります。
一方、笑気麻酔はうとうとしますが意識を保ったままでリラックス状態になります。
患者さんは歯科医師の呼びかけに答えることも出来ますので、患者さんの反応をみながら治療を行うことがメリットです。
静脈内鎮静とどう違うの?
笑気麻酔は鼻から吸入しますが、静脈内鎮静は腕に注射して点滴による麻酔です。痛みを和らげたりリラックスさせる作用のある薬を血管に入れて、手術の恐怖や不安を和らげます。
静脈内鎮静は、笑気麻酔よりも鎮痛と鎮静効果が高いです。また健忘効果と言い、治療中の事を忘れる効果があるのもメリットです。歯科では親知らずの困難な抜歯、歯科恐怖症の方の治療、インプラント手術で使われます。
笑気麻酔が使えない場合はありますか?
笑気麻酔が向いていない方は、以下のような方です。これ以外にも持病のある方は事前に必ず申し出て下さい。
■鼻から笑気を吸うため、鼻が詰まっている方は不向きです。
■喘息等の呼吸器疾患のある人
■体内に閉鎖腔のある病気(中耳炎、腸閉塞、気胸、ブラと呼ばれる肺の閉鎖腔)をもっている人
■妊娠初期、授乳中
■2ヶ月以内に眼科手術を受けられた方
笑気麻酔(笑気吸入鎮静法)の流れ
①笑気麻酔の説明をします
笑気麻酔を行う前に、笑気についての説明をします。説明後に笑気麻酔を望まない場合は使用しませんのでご安心ください。
②鼻から笑気を吸入します
麻酔のような注射ではなく、笑気を鼻から吸引し、そのままの状態で数分待ちます。
③数分で鎮静状態になります
笑気麻酔は吸入するとおおよそ3分で効果がでてきます。
④手足がジンジンしたり、体がポカポカしてきたら鎮静状態のはじまりです。
⑤治療開始
笑気を吸入しながら治療を開始します。場合によっては濃度を上げ下げ調整していきます。
⑥治療完了、笑気吸入を中止します
治療が完了したら、笑気吸入を中止します。10分ほど様子を見て、問題なかったら歯科治療完了です。
笑気ガスは高そうと思っていませんか?
笑気ガスは高額なのでは?と心配されてる方もいらっしゃると思います。笑気ガスは当院は10分あたり1300円なので心配しなくて大丈夫です。笑気ガスを使用しながら治療を行っても使用時間によって治療費用が決まります。
とにかく歯科治療が怖い・痛いのが苦手という理由で、歯医者に行くかどうか悩んで結局先延ばしにしていませんか?
また、お子さんの歯科治療がなかなか進まずお困りの親御さんはいらっしゃいませんか?
来院された小児たちは笑気麻酔を使ったあと、「もっと早く来れば良かった〜」とおっしゃいます。
無痛治療や局所麻酔、笑気などで物理的に痛みや恐怖心に配慮することも大切ですが、「何をされるかわからないから怖い」という恐怖心に配慮するため、横浜アリス歯科では、治療の説明、コミュニケーションを大切にし患者さんの気持ちや治療の希望方法を尊重し、不安感や恐怖を取り除くのも、無痛治療の一環だと考えております。
「これからどんな治療をするのか?」
「次に何をするのか?」
という治療内容をきちんと説明し、安心して通院できる歯医者さんであれば、少しでも恐怖心が薄らぐと思って歯科治療を行っております。